ステレオレコーダーの話


モノラル録音機の時代
 録音機にはじめて出会ったのは、ものごころついた頃。もちろんオープンリール。
 父親が、某所の処分扱いになったモノラルのものを自宅に持って帰ってきた。
 自分の声が録音されて再生されることに驚き、魅力を感じた。
 そのあと、親が1台を購入した。5インチテープまでが使える家庭用の製品だった。キャプスタンの筒を付けたりはずしたりで4.9cm/sと9.8cm/sの2つの速度で使えたオープンリールである。
 それも壊れて、次はソニーのテープレコーダーでかなりしっかりしたものだった。4.9cm/sと9.8cm/sと19cm/sの3速だった様な気がする。
 結構いろんな録音をした。もう1台のテレコを借りてきて、多重録音これでしていたから、かなり長い間使っていた。
 その後は、カセットテレコの時代で、メモ用のようなアイワのカセットで大学受験講座を録音して勉強用に使っていた。
 
ビクターの可搬型ステレオカセットデッキを購入
 当時、ナマロクという言葉で、録音がはやっていた。
 何より、自宅を離れて大学の近くに下宿したものだから、FMチューナとこのカセットで、ラジオ放送も録っていた。
 レコードを買う余裕などない時代だったから、毎日何かを録っていた。

 もちろん、本当の目的は、ナマロクである。
 単一電池4本を入れると屋外でも使えて、なかなか使い勝手の良かった機種だった。
 ソニーでは、カセットデンスケがいろんな形の製品を出していたが、私が使っていたビクター製のものは、他のどの機種とも違うデザインで、とても使いやすかった。使うはずのないスピーカーは付いていないし、ソニーデンスケより幾分軽いし、トランスポートが本体の真ん中にあって、重心もよい。肩からベルトでかけて歩きながら録ることも簡単だった。

大事にとっておけば良かったと反省している。
 

 
 
据置型ソニーTC-K75を購入
 しかし、これは私のポリシーに反することで、カセットは可搬型に限る、の考えが崩れていく。

 次に手に入れたのは、ソニーの3ヘッドの製品だった。
 かの銘器「TC-K777」の1つ前に出たTC-K75という製品だった。ダイレクトドライブが出る前の、クローズドループデュアルキャプスタン3ヘッド機で、トランスポートはソレノイドスイッチでワイヤードリモコンも付いていた。

 もちろんマイク入力端子が付いていた。

 当時も今も、「カセットはカセット」と割り切って使っていたので、カセットの音に期待したことは無いが、便利に音楽が録音できて便利な道具だった。
 

 

 

PCM-501ES&SL-HF705を購入

 ここでいきなりデジタル録音の世界に突入する。
 当時は、これが最終形態だと思っていた。

 とりあえず、マスターとして永久に?保存できる媒体が欲しかった頃である。
 もちろん、よほどのマニアでもこんなものは持っていなかった。
 2トラ38が買えない、または維持する自信がない、または、デジタル録音が普通になるだろうと思っていたからかもしれない。
 PCM-501ESと「β1」で録音した音楽は、別世界だった。・・・もちろんこれは、当時の他のアナログ録音と比べてという点で、である。

 もう一つの使い方として、ハイバンドベータ1と組むことで、4チャンネルの同時録音が可能で、アナログのマルチマスターのコピー用としても重宝した。

 しかし、AD変換ノイズというものを知ることになる。
 逆に言えば、AD変換ノイズについて、勉強させていただいた、ということか。
 

 

 
衝動買いで、アイワのDATを購入
 次世代の民生用録音システムとして当時脚光をあびようとしていた「DAT」。

 しかし本気ではなかったのだが、大阪日本橋の電気店で、とても安価にDATが放出されていて、つい買ってしまった。

 で、大変驚いたことに、前述のPCMシステムと同様の良い音がする。

 これが大失敗の始まりだった。
 マスター録音として使えると気づいてしまったのである。

 で、それが高じてもう1つ「DAT」を買ってしまうことになってしまった。

 

ソニーDTC-59ESを購入


 
 これは、後悔しかない。
 と言うか、そのことがあったから、今の考えに到達したから良かったと考えるべきか。
 アイワのDATで気をよくしたため、今度は、使い勝手のよいDATをマスターレコーダーに使っていた。

 で、あるときテープが噛み込んで、貴重な録音がパーになってしまった。

 それで、テープ媒体は一時的保存には良いが、永久保存には向かないと思い知らされて、折角買ったにもかかわらず、ほとんど使わないままである。
 

 
 
 
 

 
パイオニアRPD-500を購入
 テープメディアで、非常に痛い目にあって、ちょうどその頃業務用のCDR録音機が発売されてきた。
 で、懲りずにまたまた「これしかない!」と、買ってしまった。
 今から考えると、これまた高い買い物だった。
 しかし、非常に安定した製品で、自分の操作ミスを除くと、不満が少ない。
 AD変換ノイズが気になる。そのためdbxのDDPのAD変換部分を利用している。
 特殊なトランスポートで、これが安定しているのかもしれない。
 もう5年近く使っているが、録りミスは一度もない。
 たぶん、パイオニアRPD-500が壊れない限り、ステレオ録音機はこれを使い続けるような気がしている。 
 

 

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