1998/02/08
私のサンバについて
 マニアックな方には、私の演奏は、サンバに聞こえないかもしれません。
 このホームページのタイトルにしている様に、このページで聞いていただける音楽は、あくまでも「カワグチタカアキのサンバ」であって、本場のサンバをコピーしたり、真似たり、それに近づく努力はしていませんし、そのつもりもありませんのでご了承下さい。
 「カワグチタカアキのサンバは、サンバじゃない」と、ときに言われますが、特に気にしていません。
 私自身にとってはサンバは、リズムや和音展開が心地よいので、自分のメロディーにそれを利用しているというのが、一番正しいのかもしれません。
 また、私が私の音楽を聞いていただく対象として、日本語がわかる人しか選んでいません。「音楽は世界の言葉」と言いますが、「日本語の歌詞は日本の言葉」「ポルトガル語の歌はポルトガル語圏のもの」「英語は・・・・英語圏の」と思っています。
私がとても不思議に思い続けているのは、多くの聞き手は、自国語以外の歌をどうやって聞いているんだろうと思っています。多くの歌い手は、どうして日本語で歌わないのだろうと思います。クラシック音楽も好きな音楽ですがなぜ日本語で歌わないのかと不思議です。演奏側についても聞き手についても、同様に変だと私は思っています。 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昨日、長野オリンピックの開会式をテレビで見ていて、どうして日本でやってるオリンピックに「第九」なんだろう、なぜ日本語で歌わないないんだろう、って思いながら聞いていました。1964年の東京オリンピックの時に「東京オリンピックマーチ」と「ファンファーレ」を聞いてとても感動したのを今でも覚えているのですが、今日はとてもショックだった。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

 「本場のサンバに近づくつもりがない」なら、どうしてサンバと呼ぶのかという疑問が生じるかもしれません。それは、私自身の勝手な音楽の分類法があるためです。
 私は一般的には「音楽」と呼ばれている「音の芸術」でも大きく2つに分けています。ひとつは「音楽」。もうひとつは「雑音」です。私が後者としているものについては、世の批判もあると思いますので、言及しませんが、クラシックの中にもジャズの中にもロックの中にもそういうものがあると私は分類しています。
 その狭義の「音楽」の中にも「音学」と「音楽」があると思っています。この分類は、ある1つの同じ曲であっても、編曲者や演奏者によって、その2つのどれにでもなれる可能性があると思っています。
 日本で行われているクラシック音楽には結構たくさんの「音学」があると思っていますし、一般的な義務教育における、いわゆる「音楽」というのは、多分に「音学」でしかない場合が多い様に思います。私は高等な音楽教育を受けていませんのであやしい論評ですが、音楽の様な時間・空間的な芸術は教育によって生まれるものではないとも思っています。
 音楽家にとって音楽が解る=解るというのは、自分で歌や曲を作れ、編曲や演奏ができること。他人の作品でも耳で覚えて、頭で自分なりに組み立てて音に表現することができることを私は「音楽が解る」と考えていますが、とても不思議なことは、音を譜面に変換して、それを目で見て、もう一度音にするというやり方がごくごく当たり前の様に行われてはいる様ですが、これは現在の様に、すばらしい「音の記録媒体」例えば、CDやMDやハイファイビデオなどがある時代においては、もう過去のものにすべきと思います。
 私はずっと原則として「譜面音楽」はやらないことにしていますが、「譜面音楽」の多くは、へたをすると「音学」にしかならないことがあるとも思っています。 

 ところで、元にもどって、私の場合の音楽のジャンル分けはどうしているか、と言うと、現在の様に、多くの音楽がクロスオーバーないしフュージョンしている場合、はっきり言ってうまいジャンル分けの方法はないかもしれません。そこで私は一般的な分類ではありませんが、楽器によってジャンル分けを試みているのです。
 例えば、
 エレキギター、エレキベース、電子キーボード、ドラムセットが基本となる音楽は、主に「ロック」。
 セミアコないしフルアコギター、ウッドベース、ピアノ、ドラムスによるものは主に「ジャズ」、または、これら4リズムに管楽器を含むものも「ジャズ」。
 摩擦弦楽器や木・金管楽器を中心としてエレキベースやドラムスを含まないのが「クラシック」・・・・・といった分類法です。
 
 この分類により私は、パンデイロ、タンボリン、ガンザ、スルドを基本にリズムを作っている音楽を「サンバ」と呼んでいます。 

 もちろんこのジャンル分けにも限界がありますので、この辺でやめときます。それは、別の分類をされる方々を不愉快にする可能性があるためです。

 

感想などをお聞かせ下さい

                      
ホームページに戻る