音楽作品の作り方
平成10年1月3日
平成12年3月18日改訂
現在の作品の作り方はこんな方法でやっています。全曲楽譜なしの即興演奏の重ね合わせで音楽を作っています。

主に使う機材
・マルチレコーダー:現在8チャンネルのものを使っています。詳しく説明すると、1本のテープにバラバラに「8つの録音できる部分をもった」テープレコーダーで、ひとつ録音すると、その録音した音を聞きながら、別のところに前の音を残したまま音を録音できる装置です。合計バラバラに8つ録れます。現在はその同じレコーダーを2台つないで使っています。この器械(アレシスのAdat-Xt)は、1本の電線で同期信号をやりとりでき、1/100秒の精度で同期できます。それで16チャンネルデジタル録音ができる様になりました。
・メトロノーム:カチカチなるヤツで、今は電子式のものを使っています。
・マイク:楽器によって使い分けていますが、多くはソニーのコンデンサー型のもので何でも録れます。
・ヘットフォン:個々の録音するときはスピーカーは使わず、これでモニターしています。密閉型の方が良いのですが、トロンボーンを録るときにヘッドフォンが大きいとベルに当たって使えないので、比較的小さいものです。もう15年くらい使っているので、壊れてきていますが、他のものに換える勇気がないので(耳が音の癖を覚えているため)まだそのままです。 ・・・ついにそのヘッドホンも壊れてしまい、新しいものに換えました。やはり特性が違うので、現在耳慣らし中です。ほぼ癖が判ってきました。

・楽器:曲の作り始めはギターであったり、ベースであったり、キーボードであったりさまざまです。というのも音楽は勉強しないことにしているので、ギターのコードネームも知りませんから、自分で作ったメロディーにどの様にコード付けしたらしっくりいくかわけがわからなくなることがあり、ギターでしっくりいかないときは、キーボードで、それでもだめならベースでという風になってしまいます。次は打楽器、その後管楽器という感じが多いです。管楽器は、ソロやパートのトップにあたる音は実際に本物の楽器で演奏するのですが、和音は自分の楽器の音をサンプリングしたデータ(ローランドS-550)を使って追加しています。もちろんすべて生のこともありますが。
 摩擦弦楽器(バイオリンなど)を演奏できないので、このパートは、サンプラー(ヤマハTX-16WとローランドS-550)で多くは数人分の音を複数回に分けて録っています。音楽や楽器は何でも好きですが摩擦弦楽器だけは、なぜか演奏しません。
 

 とりあえず、作りたい曲があると、まずは鼻歌の繰り返しで、自分の中でイメージを高めていきます。
次に、歌とギター1本で、何かに録音します。いきなりマルチレコーダーで録る場合もありますし、カセットやMDでの場合もあります。
その録音されたものをききながら「電子メトロノーム」(=カチカチとなるヤツです)で、一番いい感じで鼻歌っている部分の拍子に同期させます。
実はこれがのりのある曲を作れるかどうかのポイントであると、自分では思っています。逆にメトロノームのカチカチ音の速度を変えながらやっていくと、後で「こんな感じじゃなかった」と曲の速さを間違って大失敗というのがよくありました。
 今度は、マルチレコーダーの1つのトラックにメトロノームの音を録音し、これを再生しながら歌とギターなどを「いいかげんに」録音します。
次に、この「いいかげん」に録ったものを聞きながら、別のトラックに、打楽器を入れます。多くの場合「スルド(サンバ用の大太鼓)」であったり、「パンデイロ(サンバ用のタンバリン)」であったりです。これで「いいかげん」なメロディーと和音とリズムが録れたことになります。
 その後始めに録ったメトロノームの音を消して、「いいかげん」なそれらに、音を足してゆきます。主に打楽器でしょうか。するとどんどん「いいかげん」なものが少しづつズレていくので、一人での多重録音ながら、あたかも複数の人がやっている様な、ノリのあるものが出来てきます。
 もちろんたいていは飲みながら録っているわけですから、後で録ったものほど、いい感じのことが多く、その場合は、少し前に録った、まだ酔っていない(自分自身が)時の演奏は、消して、酔っている音に換えていきます。
 余り酔いすぎると眠くなりますし、かつて大失敗したのは、酔っぱらって「いい演奏だったテープ」を操作ミスで全部消してしまったことがあるので、ほどほどにしていますが。それでも飲みながら酔いながら録音していきます。
 8つの録音が全部終わってしまうと、一度今は、DAT(2チャンネルのディジタルオーディオテープレコーダー)にトラックダウン(音をまとめる)します。それをもう一度8チャンネルのマルチレコーダーにコピーしてさらに6つの楽器を入れ、これで足りなくなると、また同様に2チャンネルにまとめて・・・と繰り返して、今までで最高40人のオーケストラ付き、ビッグバンド付きの音楽や、40人のサンバの打楽器のパレードなんてのも作りましたが、考えてみると、スピーカーの向こうに40人の同じ人がいるのですから、気持ち悪る〜い???。
 どうして、それなら16チャンネル以上のマルチを使わないのかと言うと、10チャンネルを越えるトラックダウンが両手で出来ないことと、最近あるコンピューターミックスを信頼していないこと、でも本当は、機材を買い換える自信がないのです。・・・・現在は何も余り気にせずに、16チャンネルのレコーダーと24チャンネルのアナログミキサーで音楽を創っています。マスターレコーダーもDATを使うのをやめて、今はCDRにトラックダウンする様にしました。それは出来上がったDATのテープがDATに噛み込まれて没になってしまったので(こんな辛いことはない)テープメディアはダメだと気付いたためです。

私の音楽歴に戻る

感想などをお聞かせ下さい
                            
ホームページに戻る